天国はスパンコール

思考と追憶の記録

バンドとボカロ

10代の頃よく観に行ったバンドの音源は今でも聴くけど現在の年齢から逆算すると彼らも当時ハタチそこそことか10代、ヘタしたら年下だったりして改めて驚く。自分とたいして変わらない年齢の人の創った音楽のクオリティの高さ。今の自分でもこんなん出来ない。

最近の若手バンド不足を嘆く話はよく耳にするけど、あの頃の若手バンドとの違いはなんなんだろう。テクニック的には今の人の方があるはず。新鮮さ?勢い?もう、空いていた席にはみんな座ってしまって「新しい」てモノがないから?ただ単純にお金にならないから?

バンドは飽和状態だしもうお金にならないから若手がボカロに流れ今はボカロも飽和状態で、みたいな事を聞いた事があるけれど両方聴く聴き手且つ元バンドマン側からみればバンドにはバンド、ボカロにはボカロの良さがあるしそれはどちらも捨てがたい&両立しないモノだからなんだかさみしい気もする。

バンドは、メンバー間でのいざこざやテクニックの違い、自分が思っている音に仕上がらないと言うデメリットはあるけど、逆に考えればそれがバンドの醍醐味でもあり自分では思い付かないようなアイディアを他のメンバーが出してくるというメリットもある。

ボカロは基本的に自宅作業だから自分の好きな時間に自分のペースで出来るし自分の思った通りの楽曲に仕上がる。
でも、それ以上もそれ以下もない。
自分の才能だけでの勝負だし、他の人と関わらない分(絵師さんとかは別で楽曲に限って)個人主義な人じゃないと出来ないよね。
あと、自分の才能に自信のある人。

「バンドやりたいけどミクさん以上の女性Vo.がいない」なんて当然の話で文句も言わず音も外さず自分の思った歌い回し、バイブレーションで歌ってくれるんだもん。
それと生身の人間を比べちゃだめだよ。

若い頃バンドをやっていた人が働き出して仕事忙しくてバンドやる余裕なくなって、それでも音楽は続けたいからってボカロに移行するのは個人的にはとても嬉しい事なんだけど。

もちろん生で観たいけれど、その人の創った楽曲を聴ける幸せ。

などという興味ない人にはどうでもいい事をずっと考えていた。

おしまい。

コート

「バカじゃないの?」

「死ねばいいのに」

が口癖だった貴女

「死ねばいいのに」ていつも言っていた癖に自分がさっさと死んじゃってさ

貴女が遺してくれたコートを着る季節が、また来たよ

貴女があたしに遺してくれた物

お気に入りのコートと水着、数枚のCD

それに「バカじゃないの?」「死ねばいいのに」て口癖

貴女の年齢を、あたしはいつの間にか超えてしまって

もう何年前かも思い出せない

いや、それはウソだね

思い出すと辛くなるから思い出したくないだけ

初めての、友達の葬儀

それが貴女だなんてちっとも嬉しくないよ

あたしは喪服も持ってなくて、唯一の黒い服は胸元がハートマークに開いたワンピースで

でも、貴女に会いに行ったよね

辛すぎて、途中で帰りたくて、でもお兄くんが最後まで居てあげて、て

センチになるのは、季節のせいかな

亡くなった友達たちをやたら思い出す


あの子の秘密

あの子との出会いは10年以上前

夜働いてた頃

先輩社員のおっさんに混ざって1人だけ借り物みたいなスーツの似合わない少年と呼んでもおかしくない男の子

隣に座ったはいいけど、お酒は飲まないし何も話さないし

なんとなく「どんな音楽聴くの?」て聞いたら急に饒舌になって

バンドでギタボやってる事や自分の機材の事や

別れ際、連絡先を聞いたら

「ぼく、彼女いるから」

て携帯番号でも携帯メールでもなく、PCのアドレスを書いて行った

それから、たまーに連絡取るようになって

ある日

「彼女が出来た」


「あれ?彼女いたんじゃないの?」

て聞いたらその彼女とは別れていたらしい

別に他意はなかったんだけど、その時口をついて出た言葉は

「好きだったのにな」


あの子の慌てようを今も思い出す

「だってねーちゃんはねーちゃんだし!姉弟は別れたりしないし!ねーちゃんはねーちゃんで大事だし!」

とか、諸々

ごめんね、困らせて

なんとなく言ってみたかったんだ、多分

でも君は姉として慕ってくれてるのはわかっていたから

彼女とか彼氏とかそういうのではない、愛情

眠れない夜、朝まで電話に付き合ってくれたね

「彼女ともこんなに電話しないぞ」

なんて言いながら

ある日、あたしが精神的にぼろぼろだった時

別にそれを言ったつもりはなかったのに

「明日スタジオあるからあんまり時間ないけど、会いに行くから」


「君忙しいんだから無理しなくていいよ。どうしたの急に」

て言っても

「いいから。◯時頃そっち行く。2時間くらいしかいられないけど」

て譲らず

本当に忙しいの知ってたけど、嬉しかった

で、翌日うちに来て

いきなり抱き締められて

「ちょwどうしたw彼女はw」

て言ったら

「いいから」


後から聞いたら

「あの時ああしてなかったら、ねーちゃんだめになってたろ」

てさ

気付いてたんだね、全部

だから、君には感謝してるよ

見た目に反して真面目な君には、きっと彼女を裏切る事は辛かったでしょう

それでもあたしを救ってくれようとした

実際救われたし

ありがとう

あれから沢山時間が経って、お互い状況が変わったりその中で恋人も変わったり

でも、相変わらずねーちゃんと慕ってくれる君が大切だよ

出会ってくれてありがとう

今あたしがこうしていられるのも、あの時君が救ってくれたおかげかもしれない

あたし

夢なんてない
日本の辞書にはね
叶わぬ物って書いてあるわ
誰かが歌っていた
夢なんて
考えた事もなかったよ
生きるのに精一杯だったあの頃
時折思い出す
それでも
僕は、今、生きているから


友達

ホームレスの おじさん
優しくて力もあって
みんなと 友達になった夜


あたし

もしも僕が死んだら
君は泣くの?
それとも笑うんだろうか
例え僕が死んでも
笑っていて欲しい
君の笑顔が
僕の唯一の救いだから


友達

生命的な 何かが動きはじまると同時に
飲んだ母乳の味を
覚えてる
その時の私は
また生まれて
こいつですか
神様
ありがとう
きえて 風化する
赤子は

赤子は生まれたから泣く
悲しい世界に零れたから

あたし

桜の下には何が眠っているか知ってる?
君が微笑む
僕は曖昧な笑顔で答える
桜の下には屍体が眠っている
誰が考え出したのだろう
僕はその理由を知らないけれど
ひとつだけわかっている事があるよ
桜の下に眠っているのは
君の心


友達

やがて来る波を
もろともせず
冷たすぎる 生きざまを
叩きとばすように
時は来れと
言わんばかりの桜は
一年
オルゴールを聴きながら
桜は飛び跳ねた

春の風
桜吹雪の
遊歩道



友達詩人すぎ

「月」というお題で友達と即興詩交換

あたし

「月が綺麗ですね」
君が言う
「月なんて出てないじゃん」
僕が答える
それはね
「私死んでもいいわ」
て答えなきゃ
君はちょっと大人な顔で
あとから知ったよ
「月が綺麗ですね」
「I LOVE YOU」
だと言う事を


友達

夜空の星は
煌々と光を放ちながら
滑るように月に口づけをし
夜の世界は月の元
皆の寝息にほっとする



完全に友達の勝ちやんね


BGM:星に願いを