天国はスパンコール

思考と追憶の記録

バイト バイト バイト

深夜に働いているのはライブハウスにノルマを払う為
1年前に出たはずの実家には週に1度は帰ってるらしい

笑っちゃうねそれ


かつて、疎遠だった従兄弟から急に「進路相談したい」て電話を貰った事がありました

彼は中3で、あたしは大学在籍はしていたけど行っていない頃か退学後働いていた頃か、とにかく生活の中心がバンドだった頃

「◯◯ちゃん、バンドやってるんだよね?俺中学出たらギタリストかJリーガーになりたいんだ」
「ふーん、従兄弟くんギターやってるんだ」
「ううん、これから練習する!」

その時のあたしの返事は
「高校行きながらだってバンドは出来るんだから高校くらい出ておきな」
なんてつまらないモノ

きっと彼にとってはバンドやってて定期的にライブハウスに出ているあたしは「音楽で生活してる人」だったんだろう

だけど実際は先述の歌詞そのまんま
ライブハウスにノルマを払う為に働く生活
だからそんなつまらない返答しか出来なかった

彼はきっと失望しただろうね
周りのやつらと同じ事しか言わないあたしの事

当時は本気でそう思ったんだよ
まだギターすら触った事がないんだし、音楽で食ってくなんてほぼ無理なんだから高校くらい出ておかないと後で苦労するよ、て

それにちょっとだけバカにもしてた
楽器やった事もないのにギタリストになる?音楽で食ってく?そんな甘い世界じゃねーよ、て
自分に才能がないのを棚にあげてさ

たまに、今同じ相談をされたらなんて言うだろうって考える
もしかしたら、彼にものすごい才能があったかもしれない
それをあたしは潰してしまったのかもしれない
楽器が出来る出来ないより、もっと大事なのは初期衝動

あの時のあたしの選択は間違えていたんじゃないだろうか
売れないバンドマンの内情をちゃんと話すべきだったのかもしれないし、一度スタジオやライブに遊びにおいでと誘うべきだったのかもしれない

なんて、ね
その時あたしがギタリストを勧めてたらそれはそれで後から恨まれていたかもしれないんだから正解が何かなんてわからないんだけれど

たまに、思い出すよ
そして、たまに後悔してごめんねって思うよ

なんて過去の話



BGM:バイト バイト バイト/クリープハイプ